先日J Dilla のニューアルバム" DONUTS "を買った際に
彼が2月10日に死去していた事を知ってショックを受けた。
Hip-Hopを聞かない人は誰それ?ってなるが
Hip-Hop界では有名なプロデューサー/ラッパーです。
海外サイト中の" Jay Dee's last days "
というタイトルの記事によると
J Dillaは血液の病気に侵され、長らく病院で闘病生活を送っていたらしい。
そしてこのアルバム" DONUTS "は
病室に機材やレコードを持ち込み制作されたと書いてある。
病気の為、体重も半分程になり、機材を扱えない程手が痛む時は
母からマッサージを受け、また作業に戻り、
夜中にアイデアが思いつけば母を起こし、
機材の前まで連れていってもらっていたそうで、
母親のつきっきりの看病を受けながら苦しい情況で制作されたようだ。
アルバムに収められている曲は31曲、全てインスト。
どの曲も1分少々と短く作りも荒い。
思いついた数々のアイデアをざっくりと形にした未完成段階という印象を受けた。
未完成といっても、決してアルバムの内容が良く無いってことじゃないです。
磨き上げる前のダイヤモンドの原石的な意味での未完成です。
勝手な想像だが、闘病中、J Dillaは沢山の溢れるアイデアを
一つづつ完成させるのにはもう時間が無いと感じていたのではないかと思った。
1曲の完成度にこだわるよりも、今自分の中にあるモノを今できるやり方で
全て吐き出す作業を" DONUTS "でしたのかもしれない。
このアルバムはJ Dillaの32歳の誕生日である2月7日に発売され
その3日後に彼は亡くなったそうだ。
闘病の悲愴感なんて感じさせないSoulfulな曲がぎっしりと詰まっていて
本当にレコードと音楽が好きなんだ、という
少年のようなピュアな気持ちを感じる素晴らしいアルバムです。